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2008年8月12日 (火)

紫式部

   
 この2、3日、朝の空気がちょっぴり涼しくなっているような気がします。
 毎朝、4時過ぎからウォーキングに出掛けます。2キロのコースを3回、6キロを1時間掛けて歩いています。途中、5キロあたりでしょうか。コースを外れ地蔵堂に立ち寄ります。その地蔵堂には十一体の地蔵が祀られ、石柱に「延命地蔵尊」と彫られていますので、そのお地蔵さんに少しでも「ご縁」があることを願い、毎日5円づつ供えています。
 お地蔵さんにお祈りをするようになったきっかけは、娘が無事に出産するようにという願いでした。その孫も6歳です。地蔵参りももう6年以上になります。手を浄め手を合わせ目を閉じてしばし祈ります。祈りが終わり地蔵堂から離れる時、フワーと身体の力が抜けて行くような心地よさを覚えるのです。それはとても不思議な気持ちです。

 桔梗、Kikyou紫式部、杜鵑草(ほととぎす)、好きな三つの花の名前です。
  先週まで、紫と白の花を咲かせていた桔梗が風にうたれて花がおち、蕾も残り少なくなっています。凛と咲いていた紫の花はなくなりましたが、私どもの桔梗は優雅でほかの花の中にあっても、桔梗の花の存在感を十分に誇っています。夏の本番前に、桔梗の深い青紫色の花は消えましたが、桔梗は秋の七草の一つ、夏の最中にもう秋の風の匂いを感じ楽しんでいます。

  萩の花尾花葛花瞿麥の花女郎花また藤袴朝貌の花   山上臣憶良

 桔梗の根は痰をとめる薬になります。『万葉集』に歌われているあさがおは、桔梗のことをいいます。また、別名の「ありのひふきぐさ」というのは、桔梗の花を蟻塚に入れますと、紫の花弁が真紅変色するからといわれています。

  きりきりしやんとしてさく桔梗かな      一茶

 むMurasakishikibuかしの住まいの庭の紫式部は、毎年繰り返し真珠のような紫色の実を楽しませてくれました。そして、ことしの紫式部の小さな花は、雨と低温の日が続いているこの7月に戸惑いを覚えているようです。紫式部の落ちた花のあとに小さな青いツブが残っています。このツブが秋から初冬にかけて銀がかった紫色に輝くのです。
 紫式部の学名は「美しい果実」、紫式部の美しい実につけられた容姿どおりの名です。 杜鵑草(Fototogisuほととぎす)の花は、まだ見れませんが、早咲きの花は8月ごろから咲き始めますので、いまはその下拵えで忙しいときなのではないでしょうか。花は白地に紫の斑点の模様がつき、その模様を鳥のホトトギスの斑紋に見立ててこの名前がついています。
 桔梗、紫式部、杜鵑草(ほととぎす)、この3種類の花の共通点は「紫」です。
 紫色は昔から、高貴の象徴とされています。クレオパトラは紫の帆の舟に乗ってその権威を誇ったと言われています。当時は、紫の染料を貝から抽出しましたが、1グラムの染料をとるのに2000個の貝を必要したそうです。ちなみに現在も、荒波の海辺に生息するその貝で糸を染め美しい絹織物が作られています。
 人が桔梗など、紫色の花の美しさに強く惹かれるのは、紫が常ならざる色なのだからでしょう。白の桔梗の花に交じって紫の花が一輪花を咲かせてました。
 さて、今週はもう8月も半ばです。「盛夏8月」となるのですが、「秋」が目の前にやってきています。 『古今集』の藤原敏行の「秋立つ日詠める」、「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる」と詠われています。この歌があらわしているのが立秋の「こころ」なのでしょう。秋のかすかな気配を受け止めるその「こころ」が立秋の存在感なのです。

   夕やけや人の中より秋の立つ     一茶

 年のせいでしょうか。ことしの暑さは身にこたえています。じっと座っていても脂汗のにじみ出るような蒸し暑さ、ジージーと油を炒るような油蝉の声を聞いていますと、「けっこうな蝉しぐれ」などと風流ぶってもおれず、シャワーを浴び涼をむさぼっています。
 奥の細道の「閑さや岩にしみ入蝉の声」と歌われている蝉の声は、「油蝉ではないな」と確信しました。しかし、油蝉にしろ、ミンミンゼミにしろ、熊蝉にしろ、声を大にして鳴ける寿命は短く、せいぜい2週間、長くても3週間、そう思えば、油蝉の鳴き声も鳴けるなら鳴かせてやれという気にもなります。

   やがて死ぬけしきは見えず蝉の声   芭蕉

 こんな気持ちで蝉の声を聞きますと、蝉の声にも秋のあわれさを覚えます。

 【註】紫式部の画像は「季節の花 300」からお借りしました。

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コメント

朝晩、若干涼しくなりましたね。
でも、昼間はまだまだ暑いです。
お体には充分にお気を付け下さいね。

投稿: ともこ | 2008年8月12日 (火) 11時13分

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